イコリア環境になって以降各フォーマットで次々と実績を重ねている「相棒」を据えたデッキですが、その中でも一際目立つのがヨーリオンを相棒とする80枚構築。今までのデッキの基本的な組み方から外れた異色のデッキながらも、結果を残しているあたりやはり勝ち切れるパワーはあるんだなぁと感じます。もちろんそれにはヨーリオンが持つブリンク能力を最大限に活かしたからこそのものもあるのでしょうけどね。そんなわけで机上の構築ではありますが私も最低構築枚数の60枚から80枚に増やしたデッキを考えてみたいなぁと思っていたり。とりあえず備忘録的な。
復習ですがヨーリオンのテキストをざっくりまとめると以下。
〈空を放浪するもの、ヨーリオン〉
相棒:開始時のデッキ枚数が最小サイズより20枚多いこと。
ヨーリオンが戦場に出たとき、自分がオーナーでありコントロールしていて土地でないパーマネントを望む数追放し次の終了ステップ開始時にそれらを戦場に戻す。
ヨーリオンを相棒にする際は最低でもデッキの枚数を(スタンやモダンなどの一般的なフォーマットでは)20枚多く、つまり60枚から80枚にする必要がありますが、そうした場合どのような影響が起きるのかいろんな方が検証したようです。大体こんな感じ。
・60枚構築の3積み≒80枚構築の4積み
・60枚構築の土地24≒80枚構築の土地32
・土地フラッドが起きやすい
カードの投入枚数ですが、60枚構築に3枚積むのと80枚構築に4枚積むのとで引く確率が大体同じになるようです。ただそれでも毎ターン引けるカードは基本的には1枚ずつなので、体感でもなかなか引きにくいと思ってしまうかも。この辺りは「似た役割のカード」を足してみたり、「ドローやデッキ操作、サーチを行えるカード」を足してみることで解消できるようです。枠は増えているわけですしそれくらいなら問題なさそう。
土地に関しては単純計算するなら24枚≒32枚になるようです。これがアグロだったりコントロールだったりマナクリマナファクトだったりドローカードだったりで多少前後する様子。枚数を増やしたことによる土地フラッドが起きやすいのはどうしても避けられないみたいで、これも上記のようにドローを増やしたり占術などでボトムや墓地に落としたり、もしくはランプしたりで圧縮するそうな。
で、そこまでしてヨーリオンを使用するにはそれ相応のメリットがあるからなのですが、これについてはご周知のとおりですね。
・ブリンクで大量のアドバンテージを獲得できる
・5マナ4/5飛行と優秀なスタッツ
・確実に手札にある扱いで唱えることができ、またハンデスに当たらない
クリーチャーやエンチャントの強力なEtB能力をブリンクで複数使い回せるだけでもかなりお得。また英雄譚やPWのカウンターをリセットして再度使えるのも良いですね。単純なクリーチャーの戦闘力もフィニッシャーを務められるくらいのスタッツで攻防ともに優秀。そして一番の安心且つ相手にすると厄介なのが「手札にあるかのように外部から直接唱えられる」という相棒特有の能力ですね。普段のデッキのようにわざわざ苦労して引き込む必要もなく、また手札にあるわけではないのでハンデスで落とされることもないのは戦略の安定にも一役買っています。マナさえ確保できれば唱えられてそこからパーマネントをブリンク、EtB能力でアドにつながるのは強い。ここまで書いてなんとなく気付きますがヨーリオンはどちらかと言えばコントロール寄りのデッキで特に効果を発揮するカードなんですね。ギリギリミッドレンジまでならマナ域的に運用可能かしら。それと折角ヨーリオンを相棒にするならブリンクを最大限に活かさないと勿体ないですね。なるべく効果的なEtB能力を持つカードを使いたいところ。
60枚構築という常識を変えたヨーリオン、カードプールが広がればもっと面白いデッキが生まれそうです。もはや相棒前提の環境になってきたなぁ。エルドラージ生き残れるかしら。